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言語とコミュニケーション - はじめに Vol.1 - 導入

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言語とコミュニケーション

目次

1. 原文

Introduction

  We do not often think about the importance of language to our lives - about its importance to our social lives and about its importance to our ways of thinking. One reason for this is that using language is very easy for most of us (unless we have to write a term paper or give a public lecture), so easy that most people are led to underestimate the importance of language. Nevetheless, human languages are of very great importance both to the nature of our societies and to our intellectual accomplishments. Let us see why this is so.
  The success of humans in mastering our environment is the result of our ability to cooperate with each other and this, in turn, depends on our ability to comminicate with each other. By communicating, we can exchange important information and make plans for cooperative behavior. Our success also depends on our ability to think, and this ability to think also depends on language in important respects.

(Michael L. Geis, Language and Communication, Oxford, OUP, 2001, p.1, ll.1-10)

2. 和訳

導入

 私たちは言語が私たちの生活にもたらす重要性について考えることは多くない。もう少し具体的に言えば、私たちが営む社会生活やものの考え方(思考)にもた らす言語の重要性のことだ。その重要性について考えることが多くない理由の一つは、学期末レポートを書かなければならなかったり、講演をしなければならな い場合を除いて、言語を扱うことは私たちにとって非常に簡単である場合が多いからだ。それゆえに言語の重要性を見くびってしまうのだ。それにも関わらず、 私たち人間の言語は社会の本質・知的活動の成果両方にとって頗る重要なのだ。それは何故なのかを検証していこう。
 我々人間が自分たちを取り巻く環境を自分のものにすることができるのは他者とお互いに協力できるからだ。そして他者と協力できるのは意思疎通できるから だ。コミュニケーションを取ることによって私たちは重要な情報をやり取りし、協力的に振る舞う準備ができる。私たち人類は思考能力によって繁栄し、そして 思考能力は重要な点で言語に依存しているのだ。

3. 語彙

  • often <副詞>「しばしば、よく」
  • lives > life <名詞>「生活; 生命」
  • the importnace of laguage「言語が重要であること」
    • A of B は「BのA」と訳されがちだが、Aに何が来るかによって4つの用法が存在する。
      • 主格用法: 自動詞や形容詞から派生した名詞 → BがAすること / であること
      • 目的格用法: 他動詞から派生した名詞 → BをAすること(e.g. examination of social theories 「社会理論」)
      • 所有格: 人や物を表す名詞 → BのA(e.g. a friend of mine 「私が持っている友人の一人 → 私のとある友人」)
      • 同格: fact, idea 等の抽象名詞 → BというA(e.g. the fact of bankruptcy 「倒産という事実」)
  • ways of thinking「考え方、思考」
  • reason <名詞>「理由」
  • unless SV...「...しない限り」
  • term paper「学期末レポート」
  • lecture <名詞>「講義、講演」
  • so ~ that SV...「とても~なので...する(結果); ...するほど~である(程度)」
  • be led to V...「...するように導かれる → ...するようになる」
  • underestimate <他動詞>「~を過小評価する、見くびる」
    • under- で「~より下の」、estimate で「~を概算する、見積もる」
  • nevetheless <副詞>「それにも関わらず、そうはいっても」
  • are of very great importance「非常に重要である」
    • beは「~の状態である」、of は「~の性質を持っている」を表す。つまり be of で have と同義である。
    • of very great importance「非常に程度の高い重要性を持っている」、つまり very greatly important と同義である。
  • nature <名詞>「本質、性質; 自然」
  • both A and B「AとBも両方とも」
  • intellectual <形容詞>「知性に関する; 知力が必要な; 理知的な」
  • accomplishment <名詞>「達成、業績」
  • master <他動詞>「~を習得する、極める」
  • the ability to do...「...できる」
    • be able to do の名詞構文
  • cooporate with ~「~と協力する」
  • each other「お互い」
  • in turn「順番に; 今度は」
  • depend on ~「~に依存する」
  • communicate with ~「~と意思疎通する、コミュニケーションを取る」
  • exchange <他動詞>「~を交換する」
  • make plans「make plans」
  • respect <名詞>「点; 尊敬、尊重」

4. 分析

ここで私たちが理解できることは、大きく以下の3点である。

  • 言語は当たり前に使っているがゆえ、重要性を意識する機会は少ない → 言語はそれだけ身近な存在である
  • 社会の本質・知的活動の成果両方にとって言語は重要である → 人間の根幹に関わる深い領域に言語が関わっている
  • 人類は他者とのコミュニケーションを通じて協力し繁栄してきた

私たち人間が社会生活を営むにおいて行使する能力の依存関係を整理すると以下の通りになる。

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依存関係

5. 参考文献

Michael L. Geis, Language and Communication, Oxford, OUP, 2001