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英語学基礎 Vol.5 - ことばの側面 -

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英語

目次

1. ことばは文化である

1-1. 引用和訳

我々が他人にどのように話しかけるかは相手との間柄に依存する。
友人は私をMikeと呼ぶ。
しかしながら、Mikeと呼んでくれと言ったとしても、私の教え子はProf. GeisやDr. Geis、Mr. Geisと呼ぶ。
他のアメリカ人の教授は教え子との連帯感を作るために、上述の私と同じ行動をとる。
それにも関わらず、教授と教え子の間に存在する社会的な力関係の差は大きいために、彼らは苗字に敬称を付けて呼ぶ方が下の名前で呼ぶ方が安心と感じることが多い。
アメリカで学ぶアジア出身の学生は、少なくとも最初のうちは教授を下の名前で教授を呼ぶことに抵抗がある。 出典: Language and Communication

1-2. 詳細

我々は以下の4つの要素を基に他人への話し方を変える。

  • 親しさ
  • 年齢
  • 社会的地位
  • 尊敬

西洋の社会では、親しみを示すことが相手への礼儀である。
相手との連帯感を持つことが所属するコミュニティにがより良いパフォーマンスを発揮する一助となることを、西洋の方々は理解しているのかも知れない。
そういう訳で、引用文に登場したMike教授のように、相互理解と同意を前提に、敬称付きの苗字ではなく、相手に下の名前またはニックネームで呼ぶように勧めのだ。

他方、例えば日本人のようなアジア出身者はどうか。

アメリカで学ぶアジア出身の学生は、少なくとも最初のうちは教授を下の名前で教授を呼ぶことに抵抗がある。

例えば、尊敬語、謙譲語、丁寧語といった敬語を用い、日本人は双方にとって適切な心理的な距離感を保つ
目上の人間は目下の人間には「さん」付け苗字で呼ぶように暗黙の了解で勧めるだろう。

それでは、何故アジア出身の学生は、少なくとも最初のうちは教授を下の名前で呼ぶことに抵抗があるのだろうか。
それは、自国の文化を大切にしているからではないだろうか。

他の文化で生活する時、自国の文化との間に内的な軋轢が生じる。
アジア出身の学生は、西洋の文化と自国の文化の間に存在するギャップのために、そのように教授を呼ぶことにためらいがある。
ひとたびその西洋の文化に順応すれば、流暢な英語を話すだけでなく、求められるように下の名前で教授を呼ぶようになるだろう。

ことばは人々のアイデンティティを形成する文化を反映するものだ。

2. ことばはドレスコードである

2-1. 引用和訳

丁度衣服においてそうであるように、我々の話し方は社会的な文脈によって変わる。
若い人は親友と話すときと祖父母と会話するときとでは違う話し方をするだろう。
より細かく分類することも可能であろうが、公的な話し方、ビジネスライクな話し方、カジュアルな話し方、親しい間柄での話し方の4つの基本的な分類は有用だ。
公的な話し方は社会性の高い会合で用いられ、そこでは粗相のないように振舞わなけばならない。
それはひょっとすると公的な食事会、大事な人の葬儀、誉高い式典、またはホワイトハウスの式典といった場かも知れない。
ビジネスライクな話し方仕事の会議、大学の講義、または初めて会う人との会合において使われる。
カジュアルな話し方は互いに親しみのある人同士で非公式の場で使われる。
親しい間柄での話し方は文字通り、非常に親しい間柄の人同士でプライベートな場で使われる。 出典: Language and Communication

2-2. 詳細

我々は自分の置かれている社会的な状況に応じて四つの話し方を使い分ける。

様式 状況
公的な話し方 振る舞いに注意深くならなければならない公的な食事会、葬儀、式典
ビジネスライクな話し方 仕事の会議、大学の講義、初めて会う人との会合
カジュアルな話し方 互いに親しみのある人同士での非公式の場
親しい間柄での話し方 非常に親しい間柄の人同士でのプライベートな場

公的な場所では、ことばの正確な発音、正しい文法に注意を払い、言いたいことをよどみなく伝える必要がある。
そのような状況下では緊張とストレスを抱えやすい。

逆に、カジュアルな場では話し方にそれほど多くの注意を払う必要がないので、話しても聞き手もリラックス出来る。
もし何人かの友人とお酒を飲む場でかしこまった話し方をしたり、反対に公的な会議でくだけた話し方でスピーチをしたら非常に奇妙に映るだろう。

上記の事は我々の身に着ける衣服にも当てはまる。
公的な場では、身に受ける衣装の色合いやサイズに気を付けなければならない。
そのような状況下では自分がどのように見えているかを気にするため、緊張とストレスを抱えやすい。

他方、単なる飲み会ではTシャツを着て行くかも知れない。
もしそのような場でバリっとしたタキシードを着ていったらそれこそ変だ。

丁度ドレスコードに従うように、我々は話し方を場を弁えて変えるべきなのだ。

3. まとめ

  1. 文化としてのことば:話し方を決定づける四要素 - 親しさ年齢社会的地位尊敬
  2. どれすこーどとしてのことば:四つの話し方 - 公的な話し方ビジネスライクな話し方カジュアルな話し方親しい間柄での話し方

4. 参考文献

  • Michal L. Geis, Language and Communication, Oxford, OUP, 2001